1. はじめに
日本では「人権」という言葉は、抽象的で、理解し難く、日常生活の場面でも実感し難い。また、人権には「弱者や被害者の言葉」や「政治(特に左翼)の言葉」等というイメージもある。
しかし、実は人権は全ての人間の日常生活での尊厳ある生活と密接な関係がある。例えば、職場で不当な扱いを受けた場合、学校でいじめを放置された場合、行政が市民の声を無視した場合等である。
2. 国連の世界人権宣言第1条(1948年)ー人権の総論ー
すべての人間(All human beings)は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とにおいて平等である。人間は理性(reason)と良心(conscience)とを授けられており、互いに友愛の精神(a spirit of brotherhood)をもって行動しなければならない。
https://www.mofa.go.jp/policy/human/univers_dec.html
①すべての人間は、生まれ、学歴、職業、収入、社会的地位等に関係なく、生まれながらに自由で、尊厳と権利において平等である。
②人間は、同調圧力等に屈せず、真偽や善悪を自分で判断出来る「理性」と「良心」を持つ存在である。
③人間は、嫉妬や怨恨等ではなく、互いに尊重し合う「友愛の精神」をもって行動すべき存在である。
3. おわりに
冷戦後に国連は人権の普遍性を確認し、人権政策を展開している。日本政府もそれに応答している。例えば、『人権教育・啓発に関する基本計画(第二次)』(2025年)である(https://www.moj.go.jp/content/001440366.pdf)。
しかし、日本では、「人権(権利)の主張=我が儘、自分勝手、迷惑」と「誤解」され、「空気」による同調圧力等が重視される。その結果、日本の自生的秩序では、人権は抑圧される傾向がある。自生的秩序を人間の尊厳を中心にする人権を基礎にした社会秩序へ移行する「アーキテクチャ(社会の設計図)」が必要である。