国連の人権の現在ー「未来サミット」(2024年)の「未来のための協定」を手掛かりにー

1. はじめに

 冷戦後の1993年、国連は世界人権会議で人権の普遍性を確認し、人権政策を展開した。日本政府もそれに応答した。しかし、現在の世界では、侵略主義、権威主義、極右政党等の台頭により、リベラル・デモクラシーや人権は後退している。

 こうした中で2024年9月、国連は「未来サミット」で「未来のための協定」を採択した。付属文書には、「グローバル・デジタル・コンパクト」と「将来世代に関する宣言」がある。国際連合広報センターによれば、「ここ最近で最も広範に及ぶ首脳級の国連での国際合意」である。

 国連の人権の現在を、「未来サミット」(2024年)の「未来のための協定」を手掛かりに確認する。

2. 人権の普遍性の再確認

(1)人権への強い留意ー国際連合広報センターの説明ー

 協定は、人権やジェンダー、持続可能な開発に強く留意しながらさまざまな課題に関して明確なコミットメントを行い、具体的な成果を実現するものです。

https://www.unic.or.jp/files/PACT-FOR-THE-FUTURE-WHAT-IT-DELIVERS_J.pdf

(2)人権の普遍性の(再)確認ー若林秀樹((特活)国際協力NGOセンター)の説明ー

 協定では、人権の普遍性、相互依存性、不可分性、相互関連性が確認された。また、法の支配、司法へのアクセス、透明性が高く説明責任を果たせる組織の重要性が認識された。さらに、平和で公正かつ人間の尊厳を守り、差別のない包摂的な社会の必要性も強調された。女性のエンパワーメントやジェンダー平等が持続可能な開発に不可欠であることも再確認された。しかしながら、性的マイノリティやLGBTIQ+の権利についての言及は全くなかった。加えて、グローバルな人権の実現において、
現在直面している紛争、差別問題、市民社会スペースへの規制などの課題については、具体的な解決策の提示が乏しく、引き続き大きな課題として残されている。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/thinklobbyjournal/3/0/3_13/_pdf/-char/ja

 (3)岸田文雄総理大臣(当時)の演説ー人間の安全保障の理念の下での「人への投資」の重視ー

 同年9月22日、国連総会出席のため米国・ニューヨークを訪問した岸田文雄総理大臣(当時)は、未来サミットに出席し、演説を行い重視すべき点を五つ挙げた。第三は、人間の安全保障の理念の下での「人への投資」である。

 第三に、人間の安全保障の理念の下での、「人への投資」です。岸田総理大臣は、女性や子ども・ユースのエンパワーメントは最重要の課題であるとして、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)や、質の高い教育において、 日本が世界をリードしてきた旨述べました。また、ジェンダー分野を牽引する次世代の育成プログラム立ち上げを発表しました。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/unp_a/pageit_000001_01076.html

3. おわりに

 国連は「未来サミット」でも人権の普遍性を再確認した。

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