1. はじめに
筆者は「人権アーキテクト」を目指している。「人権アーキテクト」とは何か。日本には「人権アーキテクト」という名称の職業や役割は存在しない。海外にも近い役割はあるものの、「Human Rights Architect」という名称が確立しているわけではない。
では、なぜ筆者はあえてこの言葉を名乗るのか。 それは、既存の枠組みでは捉えきれない役割が、いまの日本社会には必要だと考えるからである。
2. 「人権アーキテクト」とは何か
「アーキテクト(architect)」には、「建築家」だけでなく、「設計者」「立案者」「起草者」「主導者」といった意味がある。
私が目指す「人権アーキテクト」とは、「人権文化」を基礎にして、「人権秩序」を社会の中に設計し直して確立しようとする役割である。
これは、高度に専門分化しアクチュアリティを喪失した大学制度内の研究者とも、縦割りの行政制度内の行政官とも、特定課題に特化したNPO・NGOの活動家とも異なる。
制度の「内側」にも「外側」にも属さず、両者をつなぎながら、社会の構造そのものを読み解き、再設計して「人権秩序」を確立しようとする立場である。
3. おわりに
「人権アーキテクト」は、国連の世界人権宣言(1948年)の理念を、制度だけでなく文化として社会に根づかせることを目指す。
学問・教育・地域・アート等を領域を横断しながら、人権が日常の中で息づく社会のデザインに取り組む。その試みを、筆者は「人権アーキテクト」と呼んでいる。