1. はじめに
米ソ冷戦後の1993年、国連は世界人権会議で人権の普遍性を確認し、人権教育を国家の義務とし、1995年から「人権教育のための国連の10年」をスタートした。日本政府も応答した。
日本の裁判所は大学を人権規定の適用対象外とされる「部分社会」と判断する場合もあった。しかし、近年、大学でも人権侵害救済機関が設立されている。
本稿では、日本大学法学部・人権相談オフィスの事例を紹介する。
2. 人権相談オフィスの三つの基本姿勢
「本学は、いかなる人権侵害も許しません!」とした上で、次の三つの基本姿勢を提示した。
(1)防止活動の徹底
本学は、人権侵害の発生を防止するために、学生・生徒等及び教職員(役員等も含みます)の人権意識を更に向上させるべく意識啓発に取り組みます。
また、制度的・文化的背景から人権侵害が行われないよう、常に問題点の発見、解明及び改善に取り組みます。(2)問題の適正・迅速な解決
本学は、不幸にして人権侵害が発生した場合は、適正かつ迅速な措置を講じ、問題解決に取り組みます。また、発生した問題を十分解明し、その問題が再発しないよう対策の改善を行います。
(3)人権侵害を受けた者の保護・救済
本学は、人権侵害を受けた者の保護・救済を基本に据えて問題解決に当たります。保護・救済に当たっては、人権侵害を受けた者の意思や立場及びプライバシーに十分留意して解決を図ります。
https://www.nihon-u.ac.jp/about/effort/human_right/
3. 人権相談オフィスの相談概要・案内
一人で悩まないで、まず受付窓口に連絡してください。
相談したことや、事実関係の確認に協力したことで不利益を受けることは決してありません。
相談者と関係者のプライバシーを厳守します。
担当者が、人権救済委員会と連携をとりながら、相談者の同意を得た上で、人権アドバイザーとの面談を設定します。人権相談オフィス
人権相談オフィスは、相談を受け付ける機関及び相談者との面談を行う場所として設置されています。
学内外の関係分野の専門家を中心として構成された人権アドバイザー(※)が、人権相談オフィスでの面談を通じて人権侵害を受けた方の保護・救済を中心に問題解決に当たります。
具体的な相談の流れについては、「相談の流れ」をご覧ください。
※人権アドバイザー・・・弁護士、医師等相談受付
※諸般の事情により、令和7年11月1日からコンプライアンス事務局内設置の学内受付窓口は一時休止とさせていただきます。
御利用の方は、以下の法律事務所(学外受付窓口)へ御連絡ください。【連絡先】
虎門中央法律事務所内 日本大学人権相談学外窓口担当弁護士tel 03-3591-3793
https://www.nihon-u.ac.jp/about/effort/human_right/information/
4.おわりに
「本学は、人権侵害を受けた者の保護・救済を基本に据えて問題解決に当たります」とある。
受付窓口は、独立性が確保されていない大学付属の「カウンセリングセンター」等の学内の組織ではなく、「法律事務所」であるが、完全に独立した第三者機関ではない。
しかし、現段階では人権相談オフィスは相対的に人権侵害の救済機能が期待出来るのではないか?