1.はじめに
1993年、国連は世界人権会議で人権の普遍性等を(再)確認し、その後、人権政策を展開した。
2011年、国連は「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」を決議した。その際、企業の人権の「デュー・デリジェンス」が重視された。
「ビジネスと人権に関する指導原則とは? 企業の「人権デュー・デリジェンス」とは?
2.国連「ビジネスと人権に関する指導原則」ー企業の「人権デュー・デリジェンス」とは?ー
1. 国家は、その領域及び/または管轄内で生じた、企業を含む第三者による人権侵害から保護しなければならない。そのために、実効的な政策、立法、規制及び裁定を通じてそのような侵害を防止し、捜査し、処罰し、そして補償するために適切な措置をとる必要がある。
2. 国家は、その領域及び/または管轄内に住所を定めるすべての企業がその活動を通じて人権を尊重するという期待を、明確に表明すべきである。保護する義務を果たすために、国家は次のことを行うべきである。人権尊重し、定期的に法律の適切性を評価し、ギャップがあればそれに対処することを企業に求めることを目指すか、またはそのような効果を持つ法律を執行する。会社法など、企業の設立及び事業活動を規律するその他の法律及び政策が、企業に対し人権の尊重を強制するのではなく、できるようにする。その事業を通じて人権をどのように尊重するかについて企業に対し実効的な指導を提供する。企業の人権への影響について、企業がどのように取組んでいるかについての情報提供を奨励し、また場合によっては、要求する。
3. 保護する義務を果たすために、国家は次のことを行うべきである。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100165919.pdf
a. 人権尊重し、定期的に法律の適切性を評価し、ギャップがあればそれに対処することを企業に求めることを目指すか、またはそのような効果を持つ法律を執行する。
b. 会社法など、企業の設立及び事業活動を規律するその他の法律及び政策が、企業に対し人権の尊重を強制するのではなく、できるようにする。
c. その事業を通じて人権をどのように尊重するかについて企業に対し実効的な指導を提供する。
d. 企業の人権への影響について、企業がどのように取組んでいるかについての情報提供を奨励し、また場合によっては、要求する。
3. 日本での取り組みーグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)のサプライチェーン分科会の場合ー
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(以下、GCNJ)のサプライチェーン分科会(以下、本分科会)は、2008年にGCNJ参加企業の中から11社が集まり結成されました。その後、SDGsへの社会的関心の高まりを背景にGCNJに参加する企業や団体の数も増え、本分科会においても活動を通して様々なアウトプットを世に送り出してきました。2017年には「CSR調達 セルフ・アセスメント・ツールセット」を開発し、企業をはじめ経済活動に関わるすべての人や組織が調達の実務で使える実践的なツールを発行しました。その他の出版物を含め、GCNJの「持続可能な世界実現のためのお役立ちシリーズ」として、これまでに多くの企業や団体のSDGsの達成に向けたさまざまな取り組みを支援してきま
した。(中略)
このような状況を受けて、「CSR調達・持続可能な調達の実践」に取り組む本分科会では、2023年に「人権デュー・ディリジェンスの実践のためのマニュアル ~人権分野の責任ある企業行動~」(以下、本マニュアル)第1版を発行しました。
(中略)
今回の第2版では、様式集に事例の記載も追加し、より実践的な内容を目指しました。
https://www.ungcjn.org/objective/procurement/web/hrdd.html
4. おわりに
日本での解説書としては、田瀬和夫+SDGsパートナーズ『SDGs思考ー2030年のその先へ 17の目標を超えて目指す世界ー』(インプレス、2020年、第6章(柴田美紀子))等がある。
企業にはマスメディアもある。法的拘束力がある放送法で規定された放送局は、基本的に「公共放送」である。「公共放送」には、①NHKの「公共放送」と②民間「公共放送」がある。そうするとマスメディア、特に放送局も、「人権デュー・デリジェンス」を尊重する必要がある。