1.はじめに
1993年、国連は人権の普遍性を(再)確認し、人権政策を展開している。
国際人権と日本国憲法の基本的人権には差異がある。
人権の基礎も異なる。その違いとは? その意味とは?
2.国際人権の基礎ー「人間の尊厳」ー
すべての人間(All human beings)は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とにおいて平等である。人間は理性(reason)と良心(conscience)とを授けられており、互いに友愛の精神(a spirit of brotherhood)をもって行動しなければならない
https://www.mofa.go.jp/policy/human/univers_dec.html
3.日本国憲法の基本的人権の基礎ー「個人の尊重(尊厳)」ー
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm#3sho
第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-constitution.htm#3sho
4.法哲学者のホセ・ヨンパルト説ー「個人の尊重(尊厳)」と「人間の尊厳」は違うー
要するに、人間と神との関係だけでなく、さらに人間と道徳律との関係まで無視すると、尊厳の内容とその規範性はいったいどのように理解されるのだろうか。それを知るのは不可能であるはずだ。
ホセ・ヨンパルト「再び、「個人の尊重」と「人間の尊厳」は同じか」、同+三島淑臣+笹倉秀夫編『法の理論』第19巻、成文堂、2000年、p.115。
「個人」と「個性」という概念から演繹的に「人格性」、「尊厳」、「自律」、「自己決定権」、「プライバシー」などが出てくるとは言えない。結論的に言えば、第十三条の「個人の尊重」を対象にする内容は正しいし、またその内容を表現する言葉も適切であるが、それは決して「人間の尊厳は不可侵である。これを尊重し、かつ〔=その上〕保護することは、全ての国家権力の義務である」(ボン基本法一条一項)という意味のことてではない。
同上書、p.120。
5.おわりに
法哲学者のホセ・ヨンパルトは、「個人の尊重」と「人間の尊厳」を区別した。所謂二元論である。憲法の「個人の尊重」が「人間の尊厳」でない場合、憲法の基本的人権と国際人権は異なることになる。
その場合、基本的人権は国際人権になり得るのかが問題になる。
憲法学者の樋口陽一は、基本的人権の「感性的自由」化を指摘している。